借金取りに捕らわれて

エレベーターを降りるとそこはソファーがいくつも置かれたホテルのラウンジのようなところだった。



きょろきょろと見回すとそれらの向こうに左右に湾曲した階段が見えた。



きっとあれが教えてくれた階段だ。



そう言えば前テレビで特集されていた時も、階段を上って行ってたな…






ソファーの群れを横切り西洋のお城を思わせる白磁の階段を上って行くと、中央の一際大きい柱の前に立つ秋庭さんを見つけた。





なんだか…雰囲気がいつもとちょっと違う…





たぶんそれは服のせいだと思う。




ネイビーのスーツに、グレイのVネックのセーターと薄いネイビーのシャツを合わせ、ネイビーのストライプ柄のネクタイを締めている。



いつも黒系のスーツに黒シャツの印象が強いから、なんだか…凄く柔らかい印象だ。




秋庭さんじゃないみたい…