借金取りに捕らわれて

身支度を整え終わった私は、そわそわと落ち着かない気持ちで迎えを待っていた。



お礼を楯に強引にデートを承諾されられる形ではあったが、秋庭さんに感謝しないと…



服を選んだり、髪をセットしたり、コンタクトをつけたり、化粧をしたり、やらなくてはならないことがあったから昨日の怖かった事を極力思い出さないですんだ。



秋庭さんはお礼のためのデートって言っていたけど、少しでも昨日の事を思い出さないように気分転換のつもりでデートに誘ってくれたのかもしれない…





秋庭さんとの最初で最後のデート…





私はスタンドミラーの前に立ち、何度目になるか分からない最終確認をした。




結局悩んだ末、スラッシュドネックがポイントのグレーのペンシルワンピースを選んだ。

丈は膝が隠れてはいるがバックに深めのスリットが入っている。




アクセサリーは2連のロングネックレスとそれとお揃いの大きめのピアスを合わせた。