借金取りに捕らわれて

「全部で400万入ってる。」



400万!?



「これで借金全部返せる。ヒロ姉には凄く迷惑かけて…本当にごめん!」





はっきり言って、突然のことで頭が追い付いていなかった。




もう、借金返済のために働かなくて良いの?


嬉しいことのはずなのに…















秋庭さんとこれで会えなくなるんだ…














残念に思う気持ちの方が大きかった。


でも、これで良かったのよ。


借金の徴収に来なければもう会わなくてすむし。


秋庭さんのことだから会いに来るかもしれないけど、会う義理はもうない。


会わなければ、この気持ちも薄れていくはずだもの…












好きになってしまっても、消してしまえば良い…













会うのは今日で最後…











「ヒロ姉、本当にごめん!」


もういいと言う私に、それでも真吾は何度も謝って帰っていった。