借金取りに捕らわれて

「こ、こんな人質とるようなまねして、正々堂々喧嘩の一つも出来ないところよ!!」




「それはなぁ~弱虫って言うんじゃねぇんだよ…
頭が切れるんだよ俺は!!」



怒鳴った二階堂は手を振り上げた。




目をつむったのと、左の頬に衝撃が走ったのはほぼ同時だった。




余りの衝撃に眼鏡が地面に吹っ飛んで行くのが分かった。




そして、痛いと思う前に、右の頬にも衝撃が襲った。




「くっ…」




痛みに歯を噛み締めるけど、ジンジンとした痛みは徐々に増していく。

痛む頬を気休めでも摩りたいと思うのに、男達に押さえられたままではどうすることも出来ない。




「間違ったことぬかすとこういうめにあうんだよ。分かったか~?」




また顎を持ち上げられたが、こんな奴に負けたくなくて、せめてもと精一杯の力で睨みつけた。




「!!」