借金取りに捕らわれて

「弱虫…だって?」




止まった…
だけど、踏んじゃいけない地雷を踏んだ気がする…



握っていた髪を離すと、武寅さんの体は力無く冷たい地面に倒れていった。




ゆっくり私に近づいてくる二階堂にそこ知れぬ恐怖が沸き上がってくる。





「二階堂!!そいつに手ぇ出すんじゃねえ!!やめろ!!」




武寅さんが立ち上がろともがきながら騒ぐが、二階堂は見向きさえしなかった。




「お前ら、小柴押さえ付けとけ。」と指で合図を出すと数人の男達が武寅さんの方へ進み出る。





「俺のどこが弱虫なんだよ。」




二階堂が私の前まで来ると顎を無理矢理持ち上げ視線を合わせた。




「言って見ろよ。俺の、ど・こ・が・弱虫だって?」




震える唇を一度噛み締めありったけの勇気をかき集め口を開いた。