借金取りに捕らわれて

何かが私の髪を引っ張り奥の暗闇に引きずり込もうとする。




「ってめえ!!」




直ぐに武寅さんの拳が私の後方へと飛び、何かが壁にぶつかる音と共に髪から手が離れていった。




その弾みで縛っていたゴムが取れてしまったが、今はそんなこと構ってられない。




「大丈夫か!?」




「は、はい!!」




「早く逃げねぇと。
まさか、ここがバレてるとはな…」



二人でまたライトの光が照らす工場の外へと出た時、私は息を飲んだ。








「うそ…」









目に映ったのは、工場を囲むように待ち構えた柄の悪い男達だった。




軽く50人はいる…