借金取りに捕らわれて

篤志さんはヘラヘラと笑って、拳を握り今にも殴らんとする夏樹さんの横をするりとすり抜けて私の前までくると、それはもう自然に私の両手を握った。



「俺、川野辺篤志。分からないことがあったら何でも聞いてね。」



ニヘラと笑う顔を見てると、反省はしてないけど悪い人ではないみたいだ。



「柏木浩都です。よろしくお願いします。」






……






…………






「……………えっと…」



この状態をどうしたら良いものか…



挨拶したのに、何故か篤志さんは手を離してくれない…