借金取りに捕らわれて

「実は…」



と、私は正直に早く来た理由を話すことにした。



「……やっぱり君は合格だな。」



何か確認するように呟かれた言葉は良く聞こえなくて、私は「えっ?」と聞き返す。



「ごめん、何でもないよ。じゃあ仕事しようか。」



「はい。」




返事をしたものの、さっきの事が少し引っ掛かる。
本当に何でもなかったのかな?

でも、私にはそれ以上聞く術はなかった。




「昨日と同じくヒロちゃんは野菜の下ごしらえと僕の補佐ね。
あと合間を見て食器洗いよろしくね。」



「はい。今日もご指導よろしくお願いします。」



そして二人で厨房に入ろうとした時だった。



「ちわ~すっ。」