俺の2つ前の席に座っている奴だった。 「お前…確か…」 「本田直仁。よろしく」 「おう。よろしく」 俺は名前を知らなかったことを申し訳なく思った。 それと同時に、自然と頭に一つの疑問が浮かび上がった。 「本田。なんで俺の名前、知ってたの」 「え?あー、さっき永山さんと一緒に名指しされてたからさ」 …くそ、永山のやつ。 「俺、ちょっと永山さん気になっててさ。一緒に呼ばれた松橋の名前も、一発で覚えられたよ」 そう言って、なぜか楽しそうに笑う本田。