そんなことあったっけ?と頭を悩ませていると、「ほら、行くぞ」とケーキを取り終わった龍守に手を引かれて窓際の席に着いた。
「私、泣きそうになってた?」
「なってた。だからお前より背の高い俺がとってあげたの」
そう言われれば、そんなこともあったなと記憶を呼び起こしていると、目の前に一口サイズでフォークに刺さったケーキが差し出された。
何も考えずに口をパカッと開けると、ケーキが入ってきた。
「おいし~」
ふわふわのスポンジに、ちょうどいい甘さの生クリーム、そして少し酸味のある苺の味が口の中に広がって、思わず笑顔が溢れてしまった。
「ほんと、おいしそうに食べるな」
「だっておいしいんだもん」
「すぐにでも部屋に連れてこうと思ったのに、そんな顔されるとな。オレンジジュースでいいよな?」
そう言うと龍守は、私にフォークを握らせ席を立った。
飲み物コーナーに向かった龍守を目で追っていると、その近くでケーキを取っていた社会人っぽい女の人二人が龍守を見てヒソヒソ話しているのが目に入った。
「龍守は私のだもん」
遠く過ぎて女の人がどんなことを言っているかは分からないけど、きっと龍守を見てカッコイイって言っているのは想像がつく。
龍守が一人で立っていると、よく周りの女の人がそうやってヒソヒソ話しているのを目にするから。
「私、泣きそうになってた?」
「なってた。だからお前より背の高い俺がとってあげたの」
そう言われれば、そんなこともあったなと記憶を呼び起こしていると、目の前に一口サイズでフォークに刺さったケーキが差し出された。
何も考えずに口をパカッと開けると、ケーキが入ってきた。
「おいし~」
ふわふわのスポンジに、ちょうどいい甘さの生クリーム、そして少し酸味のある苺の味が口の中に広がって、思わず笑顔が溢れてしまった。
「ほんと、おいしそうに食べるな」
「だっておいしいんだもん」
「すぐにでも部屋に連れてこうと思ったのに、そんな顔されるとな。オレンジジュースでいいよな?」
そう言うと龍守は、私にフォークを握らせ席を立った。
飲み物コーナーに向かった龍守を目で追っていると、その近くでケーキを取っていた社会人っぽい女の人二人が龍守を見てヒソヒソ話しているのが目に入った。
「龍守は私のだもん」
遠く過ぎて女の人がどんなことを言っているかは分からないけど、きっと龍守を見てカッコイイって言っているのは想像がつく。
龍守が一人で立っていると、よく周りの女の人がそうやってヒソヒソ話しているのを目にするから。


