「本当、からかいがいのある奴」


「意地悪」


「それでも好きなんだろ?」


「んっ」


返事をする前に、キスで唇を塞がれてしまう。


「ちょっ、ヤダ」


龍守の手がスルスルっと脇腹の辺りに伸びてきて、服の中に手を入れてこようとする。


その手を何度か払いのけていると、私たちの近くにある本棚からドサッと音がして、龍守がスッと私から体を離した。


「龍守、そろそろ行こうよ」


「ああ。二人きりになれるところにな」


そう言って龍守は私の脇に手を入れて、机から私を下ろす。


「抱っこしてこうか?」


「自分で歩けます~」


そう答える私を見て、龍守がフッと鼻で笑う。


子供扱いに少しムッとしながらも、龍守の腕に自分の腕を巻きつけながら廊下に出る出口に向かって歩きだした。