「うん。みんなでケーキバイキング行こうって言ってるの」


愛ちゃんが向いた方向に顔を向けると、クラスメイトが3人待っていた。


「ケーキバイキング?行きたい!あっ、でも……」


「何か予定あるの?」


「予定っていうか、龍守が待ってるから」


「そっか。じゃあ、やめとく?」


愛ちゃんの言葉に一瞬迷う。


「うーん。ケーキか、龍守か……」


「ハハッ。ケーキと彼氏を天秤にかけちゃダメでしょ」


そう言って愛ちゃんが笑う。


「やっぱり、今回はやめとくね。また誘ってくれる?」


「了解。じゃあ、また声かけるね」


「うん。ありがとう」


愛ちゃんが私に手を振って、クラスメイトのところに走っていく。


愛ちゃんたちが教室の前のドアから出ていくのを見送って、私は図書室に向かうために教室の後ろのドアから廊下に出た。