「結菜、来るの遅かったじゃん」


授業終わり、同じ学科で同じクラスの水嶋愛ちゃんが声をかけてきた。


愛ちゃんはボブヘアにふんわりパーマをかけたパッチリとした目が印象的な美人さんで、この大学に入ってナタリーの次に友達になった女の子。


私が愛ちゃんといるときにナタリーが声をかけてきたことがあって、だから愛ちゃんとナタリーも友達なの。


「私の隣に来るかと思って、席取っといたのに」


「そっか、ごめんね。でも教室入るのギリギリだったから」


愛ちゃんが教室の真ん中らへんに座ってるのは分かってたけど、時間がなくて教室に入ってすぐの席に座っちゃったから、結局愛ちゃんのところにはいけなかったんだよね。


「彼氏とラブラブしてたんでしょ?」


「べっ別にそんなんじゃないけど……」


愛ちゃんの言葉に、顔が熱くなる。


「結菜真っ赤。かわいい~」


「もーやめてよ~」


なんで私って、ナタリーにも愛ちゃんにもからかわれちゃうんだろ。


「まあ、結菜が彼氏とラブラブしようと私には関係ないけどさ。ところで、これから時間ある?」


「これから?」