教室の後ろのドアまで来ると、龍守がチュッとキスをしてくる。


「もう、やめてよ。ここ廊下なのに」


「今は誰も通ってないだろ?」


「そうだけど……」


もうすぐ授業が始まるからか、確かに龍守の言うとおり廊下には私たちしかいない。


だけど廊下でキスされるなんて、恥ずかしすぎる。


「ほら。もう授業始まちゃうよ?」


龍守に腕時計を見せる。


もう次の授業開始まで、残り2分になっていた。


「分かってる。図書室だからな」


「うん」


もう一度キスをすると、龍守は階段を下りていった。


「もう。頬熱いよ」


龍守のせいで熱を持った頬を抑えて、教室に入る。


しばらくするとチャイムが鳴って、授業が始まった。