私が指さした方向を見て、龍守がため息をつく。


「あっちって……まだ場所覚えてないのかよ」


「そんなことないよ!ちゃんと覚えてるもん」


「はいはい。分かりました」


龍守に手を引かれて、学食を出る。


「で、どこの教室だって?」


「あっちの館の、5階」


「心配だから、送ってく」


「大丈夫なのに」


そう言うと、全く大丈夫だとは思えないって言われてしまった。


「この授業で最後なのか?」


「ううん。もう一時間」


おしゃべりしながら次の授業の教室まで歩いていく。


「じゃあ、結菜が終わるまで待ってるから。図書室来れるな?」


「うん」