秘密な花嫁~旦那様は王子様!?~

髪もひとつにまとめたし、化粧もちょっとだけした。


時計を見ると、もうすぐ約束の時間。


「ママ、そろそろ外行こうよ」


「うん」


いつもより少しおしゃれをしたママと一緒に、玄関を出た。


玄関を出るとすぐ道路で、そこには少し小さいけどそれでも立派な黒塗りの車が止まっていた。


「なんだ、迎えに行くって言ったのに」


そう言って車を下りてきたのは龍守。


黒の細身のスーツを着こなした龍守は、私と同い年のはずなのにすごく大人っぽい。


そんな龍守が、私を上から下まで眺める。


「なによ」


「別に。指輪は?」


「あるけど、つけていっていいか分からないもん」


ポケットから龍守に貰った婚約指輪を取り出す。


この指輪は高校のときに貰って、高校時代はずっとネックレスにして首から下げてた。