秘密な花嫁~旦那様は王子様!?~

「ほら。いい子だから口開けて?」


「うっ……」


また龍守が口元に人参を持ってくるから、しょうがなく口を開ける。


口に入ってきた人参を噛み砕いて、なんとか飲み込んだ。


「もう、まずいよ」


「はいはい。よく頑張ったな」


そう言って龍守が私の頬にキスをした。


「なんかさ、二人の世界作んないでよ。てか、彼氏に食べさせてもらってるって、どんだけバカップルよ」


ナタリーが呆れたような顔をしてため息をつく。


「まあ、これでもしないと昔から嫌いなものは食べないからな」


龍守が私の頬っぺたを指でツンツンする。


「もうやめてよ!」


「いいだろ、別に」


「よくないよ~」


龍守の指を手で払うと、今度はその指を私の髪に絡ませてきた。