秘密な花嫁~旦那様は王子様!?~

「ほら、結菜」


「いらない」


小さいころから人参が苦手な私。


人参独特の味というか、風味みたいなものがどうしても無理なんだよね。


「昔から人参苦手だよな」


「だって嫌いなんだもん」


「でも食べないと、大きくなれないぞ?」


「もう十分大きいです!」


子供扱いする龍守の頭を軽く叩く。


「いや、まだ大きくなって欲しいところはあるけど?」


「えっ?」


意味が分からず首をかしげると、龍守が耳元で「胸とか」とささやいた。


「もう!バカ龍守!」


「ハハッ!」


顔から火が出そうなくらい、真っ赤になる。