「本当に間違ってる?」


「うん。間違ってる」


ナタリーはクスクスと笑っている。


「せっかく覚えたと思ったのに、なんで間違っちゃうのかな?」


「しょうがないよ結菜は。極度の方向音痴だもん」


「ヒドイよ、ナタリー」


「ごめんごめん。でも本当のことだもん」


ハハハ~っと笑って、ナタリーは教室に向かって歩いていく。


ナタリーは、辛口だ。


なんでもかんでもハッキリ言っちゃうタイプ。


「結菜、行かないの?」


ナタリーが後ろを振り返って私を呼ぶ。


「行くよ~」


「早く!」


それでも私にとってナタリーは、一番の友達だ。