「結菜、愛され過ぎてるわね~」


急に日本語になったナタリーが、私の頭をなでる。


「うぅ、からかわれてる気がする」


「もう帰るぞ」


龍守が私を抱き上げたままホール出ようとする。


「ちょっと龍守!下ろしてよ」


バタバタ暴れると、やっと下ろしてくれた。


「ほら」


龍守が手を差し出してくる。


その手をギュッと握って、ナタリーと一緒に駐車場に向かった。


「ナタリー、車なんだよね?」


「そうだよ。あれ」


ナタリーが指差した先には、真っ赤なスポーツカー


「わっ、すごい」


「パパにねだって買ってもらっちゃった」