秘密な花嫁~旦那様は王子様!?~

「あっ」


入ってすぐ、龍守を見つけた。


柱に寄りかかって本に目を通している龍守。


太陽の光が髪を茶色に輝かせ、その姿はまるでどこかの国の王子様みたい。


「龍守」


声をかけて近づくと、本を閉じた龍守が私を見る。


「結菜」


「キャッ」


それから傍に行った私を、子供のように抱き上げた。


「もう、下ろしてよ!ナタリーだっているのに」


「ナタリー?」


「ハーイ!ラブラブカップルさん」


私たちを見て、呆れたような表情をするナタリー


「友達になったのか?」


「迷って・・・」