「私、ナタリー。あなたは?」


「結菜です。ナタリーは、外国人さん?」


「アメリカ人だよ。5年前に日本に来たの」


「そうなんだ」


初めて会ったのに、なんだか波長が合うというか、緊張しないで話すことが出来る。


「ごめんね。日本語あまり上手くないんだ」


「そんなことないよ」


「たまに英語混じるけど、気にしないでね」


「うん」


てか、来た道戻ってるんだけど、私全く逆方向に行こうとしてたの?


「ねえ、ナタリー」


「なに?」


背の高いナタリーに話しかけると、自然に首が上を向く。


「どうしてこっちに行くの?」


「えっ?だって校舎、こっちじゃない」