龍守に電話しようか?


ううん、それじゃあまたバカにされちゃうよ。


「どうしよう?」


「どうしたの?」


泣きそうになって地面を見つめていると、誰かの優しい声が聞こえてきて顔を上げた。


「大丈夫?」


私の目の前に立っていたのは、真っ白い肌に大きな瞳、鼻が高くてプルンとした唇、背も高い綺麗な金髪をした女の子。


スーツを着てるから、きっと同い年なんだろうけど、すごく大人っぽく見える。


「どこかに行こうとしてたの?」


少したどたどしい日本語だけど、それでもしっかりとした発音だった。


「あの、外国語学部の校舎に行きたくて」


「そうなの?じゃあ、一緒に行こう」


女の子が私が来た方向に向かって歩いて行く。


「やっぱり、間違ってたんだ」


ガックリと肩を落としながらも、その女の子について行った。