トラックの運転手は、望人の視線を気にもせず、ニヤニヤ笑って一連の様を見ていた。 「死ねばいいのに」 トラックの運転手を睨みつけ、そう呟く。 次の瞬間トラックのエンジンは動き出し、あっという間に望人の前から姿を消した。 「大丈夫ですか?」 高校生の自分には深刻な重さではないが、老人にとってそれを両手に持つのは大変な労力なのだろうと思いながら、望人は手に持った二つの買い物袋をおばあさんに渡した所で信号が青に変わる。