冬休み明けの3学期の授業にもようやく慣れてきた。 望人は黒板を見てそう思う。 教師の右手から生み出された文字を、数列を、記号を、とにかく急いでノートに書き写す。 理解するのは後からでもいい。 寧ろ、ノートにコピーもペーストもしない内に授業の形跡が黒板からデリートされる事の方がよっぽど恐ろしい。 そう考えると、ただ書き写すだけの授業自体が酷く事務的に思えるのだった。