よくよく見てみれば路地からはみ出す様に、先程までそこには無かった血の様な赤黒い色をした大きな鉄骨が砂埃の向こうに転がっている。 工事中の建物の鉄骨が、面している路地側に落ちてしまった---そして、路地から逃げ出してきたのは3人。 残り2人は……。 目を凝らして見れば、血の様な色をした鉄骨に似た様な色の血飛沫が飛び散っているのを確認できる。 望人はグラリとめまいを覚えて気分が悪くなり、慌ててその場を立ち去った。 「まさか……」 指先が震えた。