「例えば、これから登校を控えている女子生徒にチカンしようとするクズ中年とかね」 望人は弾かれる様に、瀬織の表情を見た。 一部始終を見られていた。 やはり今朝聞いたあの言葉の主は瀬織だった。 そして、あの中年を殺したのも。 「酉賀君……だっけ」 少しだけ。 少しだけ間を置いて、瀬織はその間に望人の方へと向き、そして静かに口を開く。 「私はね…、言葉で人を殺せるの」