望人がその現場に現れたのと、瀬織が“その言葉”を発したのは、ほぼ同時だった。 「丁度いい。お前そこでコイツの髪が無くなる瞬間を見ていろ」 ハハハハと勝利を確信したような高笑いが校舎に反響して響く。 しかしその言葉は望人の耳には届かず、ただ、望人はその一瞬前に聞こえた“その言葉”に耳を奪われていた。 「……今……何て言った…?」 望人は呆然とした表情を浮かべ、瀬織を見る。 瀬織は、ニヤリと表情を笑みで歪ませ、正面に居る不良を見ていた。 「それじゃあ切っちまうか。暴れるんじゃねぇぞ!」