「もしかして君、ゆうた?」 「クゥン」 ゆうたは満足げにしっぽを振った。 「ゆうたッ」 ゆうたを探していた女の人がこっちに向かって走ってきた。 「ゆうた、もうどこ行ってたの?すいません。ありがとうございました」 「いえ、私はなにも。じゃあ」 そう言うと私は後ろを向いてゆっくり歩き出した。 「ちょっと待ってくださいッ」 ゆうたの飼い主の女の人が私を呼んだ。