「違う違う違う。ただの幼なじみ。友達よ」 私は啓太郎に言い聞かすように言った。 「ともだち?」 啓太郎はぽかんとした顔で透にきいた。 「どーだろうね」 透は特有のゆるい笑顔で答えた。 「あんた、子供になにいい加減なこと言ってんの」 私は小声で透に訴えた。 「ねぇどっち?」 「啓太郎っ!」 啓太郎が私たちの顔を見上げると啓太郎を呼ぶ声が聞こえた。 (啓太郎のお母さんかな?) 私は声の方向を向いた。