Sweet Vanilla Bean




同じマンションの一階違いに住んでいて、あいつが上で私が下。

朝が弱いあいつが遅刻しないように家を出てから、一度、わざわざ一階上にあがってあいつを起こしてから、学校に向かう。

小学校からの日常で、それはずっと変わらないと思ったら、終わりは突然訪れた。

いつも通り、あいつを迎えに行こうとエレベーターを待ってると下りのエレベーターに見覚えのある顔があった。

寝ぼけたあいつとロングの巻き髪の可愛い女の子が乗っていた。

『可愛い彼女が出来たなら言ってくれれば良かったのに』

私はあいつに笑いながらそれしか言えなかった。

私はあいつと円満な友好関係を築いている。

私はあいつなど好きではない。

…好きって分かってても認められない。