Sweet Vanilla Bean




「すげぇ…」

目をキラキラさせてるけーたろーを見て口元がつい綻ぶ。

「さえこ、すげぇな」

「そーだねぇ」

けーたろーは一生懸命、背伸びして千鶴さんの手元を覗き込んでいる。

「はい。できた」

「わぁ、ありがとーっ」

けーたろーは千鶴さんから嬉しそうにクレープを受け取った。

「おいしそーっ」

「ホントだね。すいません。お会計は?」

「あっいいですよ。サービスです。また来てくれたら、それで充分っ」

千鶴さんはそう言ってニッコリ笑った。

「でも…」

「いいのっ。ゆうた助けてくれたでしょ」

「…。ありがとうございます。でも、必ずまた来ますから」

「ありがとう」

(あぁ甘えちゃった)