「けーたろー、ママもきっとけーたろーのこと探してるから、けーたろーもママを探そ」 「うん…」 けーたろーはまだ涙ぐんだ瞳で私を見上げた。 「じゃ行こっか」 「うんっ。そーいえば、おねぇさん、おなまえは?」 「あぁ言ってなかったね。紗江子、よ」 「さ、えこ?」 けーたろーはゆっくり私の名前を繰り返した。 「うん」 「んじゃ、さえこ、まま、みつけような」 (呼び捨て?まぁ可愛いからいいけど) 「だね」 私はけーたろーの頭を撫でた。