そうして僕らは、チキュウという星でハネノネを捜している。


チキュウに降り立って驚いたのが、もう星ひとつ滅ぼしている、ということだった。



調べによると、ハネノネがチキュウに降り立ってからこの星が死んだのは、わずか十数年の間なのだという。


僕らの世代はハネノネなどないのでいまいちピンとこなかった。

むしろワクチンの方が恐ろしいものだと思っていた。



皮肉なものだ。


ワクチンが有害で

追い出したものが、必要になるなんて。






かれこれ僕らも数年間、星に帰っていない。


ハネノネが最後に殺した国が“ニホン”という国だと情報があったおかげで、各国を調べずに済んだけれど、いくら小さな国だからってわずかな人数で各地を調べるのはさすがに無理がある。



星から支給されたマスクと食糧で、なんとか過ごすことはできているものの、星を救うのは間に合うものだろうか。



僕らの星が生きていられるのも、もはや時間の問題だ。