100年近く前の出来事

語り継がれている話



“ハネノネ”とは、一般的には毒を排出するおぞましき少女を指す。

しかしここ近年、その毒に侵されることも“ハネノネ”と言うようになった。





“背中から生える羽根は死の予告。

本来の色を無くした目と血と髪は、

私たちを地獄へ誘う。


その子は恐ろしい悪魔の子。

早く寝ないとハネノネがくるよ

坊やを苦しめながら殺しにくるよ”




母から子へ語られる恐怖の子守歌



その母でさえ見たことのない少女を、僕らは探し回る。







事の始まりは、ハネノネから守るワクチンが作られたところだ。


ハネノネを使い、すべてのチキュウ人を殺して自分達の星にしよう、という自己中心的極まりない出来事が起こった。


昔の人が当時なにを思ってそんな行動に出たのかは知らないが、ハネノネは追い出されるようにチキュウへ飛ばされたのだという。