彼と初めて会ったのは、高校1年の夏。

違う高校の友人が吹奏楽部のお手伝いをすることを聞いて、ひやかし程度に遊びに行った。



「やあ、りこちゃん。元気にお手伝いしてるかー?」

「桜!!来てくれたんだー。ありがとう。」

「まぁ暇だったからねー。」



私は友人3人を連れて来ていた。

3人もりこと仲が良く、みんな中学からの付き合いだ。

同じクラスにもなったこともあるし、相当仲がいい。


今りこは休憩中らしく、友達とホールの外へ出ていた。



「にしても手伝いだなんて災難だねー。部活の顧問が同じってだけで強制参加でしょ?笑」

「ホントだよ…吹奏楽と合唱は違うっつの(笑)」

「おつかれ〜(笑)」



りことたわいもない話をしている間、友人3人は外にある階段で走り回って遊んでいた。

苦笑しながらりこと話していると、一人の男の子が近づいて来た。



「ねぇ、君の友達走り回って遊んでるけど(笑)」

「あー…気にしないで。いつものことだから(笑)」



軽く会話をした。

これが彼との初めての出会い。