『お頭〜!!ガキが流木にしがみついて気絶してます!!』


 見張りが余計なものを見付けやがったが、人手不足を補うのに丁度良さそうだったからガキを拾う事にした。


 『このガキどうしてこんなところに浮いてたんですかね〜』


 見張り台から降りてきて、まったく仕事に戻ろうとしない子分の尻を蹴上げ、もとの場所に戻るよう怒鳴りつけると、子分は急いで見張り台まで上がっていった。


 それにしてもこの海のど真ん中でいったい何があったのか、何故瀕死の状態で流されていたのか気になったが、まずは手当てをして、奥の部屋で安静に寝かせてやることにした。


 その頃にはすっかり嵐もおさまり、穏やかな海に変わっていた。


 俺たちにはやらなければいけないことがある。まずは伝説のお宝が眠る島を示す地図を手に入れることだ。


 道のりは長く険しいものになるだろう。それでも、やらなければいけなかった。


 まずは世界有数の港町の一つ、サリバンへむかっていた。情報によると、この町で不動産で成功した成金がその地図をもっているという話だ。


 ウソか本当かはわからないが、今はそれしか頼りになる情報がなかった。