ちょっと…え…?
颯真君何してるの?
だんだん状況を飲み込んできた。
「なななな…え?」
顔が赤くなっていく。
いきなり何なの?
そんなあたしを見ながら
椎名颯真は肩を放しニッコリ笑うと
「前にも言ったけど藤堂はもっと
自分に自信持てよ。
それから藤堂がいくら嫌でも
これからだって藤堂に付きまとうから。
せっかく秘密知ってるんだし
もっと楽しまなきゃー。あはははー。
あ、それと唇にされるキスは
本当に好きな人にしてもらえ。
じゃ、俺帰る。またね、杏ちゃーん。」
そう言って頭をなでると
風のように人ごみに消えていった。
「え、ちょっと。」
一瞬の出来事過ぎてただ
立ち尽くすだけだった。
颯真君本当に気にしてないの?
気を使ったんじゃなくて本心?
もー、普段冗談ばっかりだから
全然本当か分かんないよ。
それにしても何で椎名颯真には
何時もこんな風に
相手のペースに流されちゃうのかな?

