「もういいっ!あたしは行きます。」
これ以上椎名颯真に構う暇はない。
せっかくのランチタイムが
無くなっちゃう。
あたしは椎名颯真の手をほどいて
目の前の屋上ヘ向かう階段を上った。
だけど後ろからは異様なほど
人の気配を感じる。
人と言うより椎名颯真の気配。
兎に角椎名颯真は人ではない。
と最近気づいてきた、うん。
階段の4分の1くらいの地点であたしは
「何で付いてくるんですか?」
呆れた声で振り返りもせずに
あたしは後ろの人…いや椎名颯真に
問いかけた。
まぁ、まともな答えなんか
本の少しも期待してないけど。
「あ、今パンツ見えた。
へー杏ちゃんはそう言うの履くん…」
ほら…くだらない答…って、
「ちょっ、変態ですか!」
流石に今のは聞き捨てならん!
振り返って椎名颯真を睨みつけた。
「おー。」
って、何が“おー”なんだ?

