そして、毎回フロアにあたしだけしか
居ないことを確認し、ピンポーンっと
あたしを呼び出しては、
「杏ちゃーん、今日のお勧めは?」
これだ。
「え?じゃあ今日はフライドポテト。」
勿論適当に答える。
一々考えていたら時間の無駄だ。
そして椎名颯真はあたしをガン見しながら
食べる、と言うのが習慣になっていた。
そして帰りは3回に1度くらいの頻度で
裏口の前であたしを待っていて
その他の日は駅で待っている
と言うのも習慣になっていた。
「今日は多分裏口の日…」
そんなことを無意識に小声で言いながら
裏口の扉を開けると、
「大正解。」
案の定椎名颯真が居た。

