「何であたしなんかを待つ必要…」


「え、いいじゃん杏ちゃーん。」


相変わらず話し方だ。


もうここ最近一気に色々あったから
麻痺してきたのか
何だか色々とどうでもよくなった。


こんなに男に関わられたら
男が怖いとかも気に
ならない気がしてきた。


まあ、この椎名颯真との距離には
まだ違和感というか恐怖感があるけど…。


「て言うか、杏ちゃんって
呼び方辞めてください。
そんな呼び方幼なじみにしか
呼ばれたことないから慣れてないし…。」


「ふーん。けど僕も杏ちゃんに
椎名颯真って呼ばれるの嫌だなー。」


う…語尾を伸ばすのが
どうも気にくわない…。


「じゃあ、何て言えばいいわけ?」


早く帰りたいな…。あはは。


早く相手の言いたいこと言わせて
帰ろう、うん。


「そうだなー…、じゃあ颯真君って
飛びきり可愛く呼んで欲しいなー。」


ニヤっと笑う椎名颯真。


何様なんだ?椎名颯真。


それより颯真君なんて…。