「ロルフ。離してあげた方がいいんじゃないかな?」 ロルフの背後から、笑いながらクラウスは言う。でも、なんだか笑い方がいつもの笑顔じゃない気がする。 「…………うわぁぁ!すすす、すみません、マルティーナ様!!」 凄い勢いで僕から離れて、慌て過ぎたせいで、後ろに倒れそうになっていた。 そこまで焦らなくても、僕は気にしてないんだけどな。 「大丈夫だよ、ロルフ」 顔が真っ赤なロルフが、妙に可笑しい。やっぱり、ロルフって姉様の事、好きなのかな。