「わぁぁぁ!火事だよ!!」
「……もう!今日は大失敗だわ!」
リリアは魔法で衝撃波を出し、壁をぶち壊した。そして、杖に股がりその壊れた壁から、飛んで逃げていく。
「リリア!!」
レスターが叫ぶが、振り返る事もなく、リリアは去っていってしまう。
「とにかく、今は消火が優先だ!」
グスタフは自分の上着を脱ぎ、炎に向かってバサバサと振り回した。
「まったく、リリアの後始末か」
レスターがブツブツと何か言い出すと、どこからともなく、大量の水が降ってきた。炎は一気に消えてしまう。
消えたのは良かったけど、僕らは水浸しだ。
「さすがレスター……」
あれ、何だろう?安心したせいか、急に力が抜けてきた。
「マルティーナ様?」
「う……ん……」
意識が遠くなる。虚ろな僕を、ロルフは支えてくれている。そのまま、完全に意識は途切れてしまった。
