「アル……マルティーナ様!?」
「クラウス、グスタフ!」
「なんでお前が来るんだ……」
呆れ気味に項垂れたグスタフ。あれ、来ちゃいけなかったの?
少し、離れた所にクラウスと、グスタフの姿があった。僕達の声でこっちに、気が付いたみたい。
だけど、一人僕の知らない人物がいる。赤く長い髪の、綺麗な女の人。気の強そうな目で、僕をキッと睨んできた。
「こいつらの邪魔が入って、失敗したと思ったけれど、まさかそっちから現れてくれるなんてね」
僕に向かって、持っていた杖を向けてきた。この人、どこかレスターに似ているような……
