僕の仕事は女王様!



「皆さま、私の為にお集まり頂き、ありがとうございました」


会場の人達へ、深々と頭を下げる。顔を上げ、また言葉を続けた。


「まだ、女王になったばかりの至らない私ですが、感謝の意を込め、皆さまに魔法を披露したいと思います」


練習通りの挨拶を終え、僕は呪文を唱え始める。そして、スッと天井に向け手を上げた。

これがクラウス達への、魔法発動の合図。


「……あれ?」


何も起きない、花が降ってこない。

会場の人達もざわめき始めた。ステージの下にいるロルフも、驚いたような顔でこっちを見る。

どうして何も起きないんだ?クラウスとグスタフはどうしたの?



僕はどうしたらいいんだ……?