「次は君の誕生祭で。マルティーナとのダンス、楽しみにしているよ」 「はぁ……」 この人だったんだ、僕のダンスの相手。 うちの母親、自分は自由にやっていたのに、姉様にはしっかり婚約者なんて、用意したんだな……何とも身勝手な人だ。 「魔法披露も頑張ってね」 それだけ言い残し、ヒラヒラと手を振って去っていってしまった。 「……って、魔法披露!?」 「何を驚いているんですか?誕生祭では、毎年魔法を披露してるじゃないですか」 ロルフはそう、淡々と言ってのけるが…… 僕男だよ、魔法使えないよ?