「君こそ、マルティーナに触れないでもらいたい、クラウス君。君はマルティーナと、不穏な噂が流れているようだからね」 不穏な噂……あ、姉様と恋人って噂か。二人で僕に会いに来てただけだけど。 「カルハインツ様こそ、その様な噂に惑わされないで下さい」 ニコッとカルハインツに向けて、笑顔を向けた。 「…………まったく、マルティーナの周りは、どうしてこうも男が多いんだ」 「えーと……」 確かその理由は姉様から聞いた事がある。