「いいよ、入って」 静かにドア開き、一礼し部屋に入ってくる。 「失礼します。あの、マルティーナ様に客人です」 「私に?」 ロルフの様子が何だか変。小さくため息を吐いたり、目線が定まらずキョロキョロしてたり。 「アイツが来たんです、カルハインツ・レンナルトが」 「ああ、彼か……」 その名前を聞き、クラウスはふぅっと息を吐く。さっきまで笑顔がいきなり無くなる。