勝手にふて腐れた顔をしてると、僕の頭をぽんっと撫でてくれた。 「俺はいつだって、アルベルト様のお祝いをしますよ。今もこれからも」 何も言ってないのに、僕の心の中がわかっている。 何だか嬉しいような、見透かされて悔しいような、複雑な気持ちが混ざっている。 「誕生祭のダンスってさ、誰と踊るの?」 「あぁ……それは……」 「マルティーナ様」 クラウスが答えようとした時、ドアの向こう側から、ロルフの声が聞こえた。