「……以前にマルティーナから聞いた。私には弟がいるとな」 姉様、グスタフさんに僕の事を話していたんだ。それほど、姉様に信用されている人なんだ…… そのまま、グスタフさんは部屋を出ようとした。 「どこへ……行くの?」 「クラウスを呼んでくる。あいつだろう、こんな事を考えたのは」 頷く事も、首を振る事も出来ずに、ただグスタフさんが出て行くのを、僕は見ていた。